「ムーブ・トゥ・ヘブンのハン・グルです。
引用元:Netflixドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』より
これらから、あなたの最後の引っ越しを手伝います」
と棒読みテイストで話すグルがどんどん愛おしくなってくる、韓国ドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』(2021年5月14日に配信スタート。Netflixオリジナルシリーズで全10話)。
心に残るとってもいいドラマで、見終わってから数ヶ月経ってもブログに感想をしたためたいという気持ちが消えなかったので、今こうしてキーボードを叩いている。
何がそんなに良かったのか、ネタバレ要素ありで思いつくままに書いていきたいと思うので、ネタバレを回避したい方は、お引き返し願います。よろしく。
あらすじ
元消防士のハン・ジョンウ(チ・ジニ)は、アスペルガー症候群の息子グル(タン・ジュンサン)と2人で遺品整理会社「ムーブ・トゥ・ヘブン」を営んでいたが、ある日心臓発作で倒れ急死してしまう。
一人ぼっちになったグルの後見人候補としてやってきたのは、長い間、音信不通だった叔父のチョ・サング(イ・ジェフン)。前科持ちのサングが正式な後見人となる条件は、3ヶ月間、グルと一緒に仕事をすること。
サングは、ジョンウの残した遺産目当てで遺品整理の仕事を手伝い始めるのだが……
原作とポスター
ドラマのモチーフになったのは、韓国の遺品整理士であるキム・セビョル氏のノンフィクションエッセイ『Things Left Behind(去った後に残された物たち)』。
見どころ1 親の愛は、子どもへの最高のプレゼント
グルとサングの主役2人が、遺品整理で知る故人の想いを残された人たちに届けるというストーリーが主体なのだけれど、私にはグルという1人の青年が父の言葉を胸に自立し、新しい家族を作っていく物語のように見えた。
グルは父を失い一人残されてしまう。でも、仕事の依頼が入ったら「父さんのやり方を覚えてるから僕にもできます」と言って出かけて行き、
ウジ虫が湧く故人の部屋を見てパニックになりかけるも、記憶の中で生き続ける父ジョンウが「グル、今までどおりにやればいい」と語りかけると落ち着きを取り戻す。そして、1人で遺品整理を始め、完遂する。
また、父の教えに従い故人の心の声を聞こうと努力する純粋な仕事ぶりは、荒れたサングの心も少しずつ動かしていく。
そんなまっすぐに生きるグルの姿は、
「あったかい愛をいっぱいもらった子どもは自立が早く、強い」
という心理学で教わった言葉と重なるものがあった。
特に印象的だったのは、亡くなったジョンウが、ビデオレターを通してグルに伝えたメッセージ。
グル 大切な息子
引用元:Netflixドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』10話 より
一番幸せな思い出を聞かれたら、こう答える
お前の父さんになったことだ
これからは毎日、グル自身が鏡に向かって言うんだ「よくできた」と
世界一の人間は、ジョンウの息子グル
見えなくてもいつもそばにいる
親がかける言葉は、子どもが生きていく力になる。気持ちが弱った時の特効薬になる。
心理学で学んだ大切なことを、このドラマからも教えられた。
どんな風に一緒に暮らし、どんな言葉を掛け合い、どうお互いを想っていたかが伝わってくる、お父さんとお母さんとグルのエピソードは、どれも心あたたまるものばかり。本当に素敵だった。
理想と現実は違うかもしれないけれど、もし子どもを持つことがあったら、たくさんスキンシップをして愛情をたっぷり注ぎたいと改めて思わされた。
見どころ2 イ・ジェフンが、とってもとっても良かった!
キャストについても記しておきたい。
アスペルガー症候群の難役に挑んだタン・ジュンサンは、『ラケット少年団』のヘガンとはまるで別人で、本当に同じ人が演じてるの!?と思わずキャストの名前を確認してしまったほど。演技の上手さにびっくりだったし、
暗くなってしまいそうなストーリーを明るく照らしてくれたホン・スンヒ(何かとグルの世話をやく隣人の女の子)は可愛かったし、
聖母マリアさまのような優しいお父さんを演じたチ・ジニも、
持って生まれた華やかさを消し去るという奥義を使ってきたソーシャルワーカー役のチェ・スヨン(『賢い医師生活』のチョン・ギョンホssiと交際中なんですね!知らなかった)も、
みんな良かったけれど、一番印象に残ったのは叔父チョ・サングを演じたイ・ジェフン。
イ・ジェフンは好きな顔とかではないので、今まで彼のドラマに食指が動かなかったのだけれども、このドラマでなんかこの人すごいぞ!と。
何と言っても、タバコをぷかぷか吸うチンピラ風から、気になる女性にだけに見せる純情な表情まで、表現表情のレパートリーがとても多いのだ。
特に、グルの父ジョンウとの誤解が解けた後のおだやかな表情は雄弁で、これがイ・ジェフンが「この世代でナンバー1クラスの演技派」と評される所以かと、納得せざるを得なかった。
ちなみに一番涙腺崩壊したのは、視聴済みの人ならきっとすぐわかるはず!な「ナイキのシューズ」を見つけるシーン。今、思い出しても胸がいっぱいになる。
このドラマでイ・ジェフンの新たな魅力を発見をしてしまった。時間ができたら、坂口健太郎主演の日本版で満足したため視聴を見送っていた彼の代表作『シグナル』にトライしてみたい。
おわりに シーズン2はあるの!?
ラストは「To Be Continued」の文字が出てもおかしくないくらい、すごく思わせぶりだったし、
Netflixのアンケートに答えていたら、内容はうろ覚えなので若干テキトーなのだけれど、「ムーブ・トゥ・ヘブンのシーズン2は見たいと思いますか?」「もしシーズン2があったら絶対見たくないシーンはなんですか?」みたいな質問もあったから、
可能性はゼロじゃないと思っている。
Netflix様、よろしくお願いします!期待して待っております!
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*アイキャッチ画像の写真は、Netflix Koreaよりお借りしました。
文章: yoko( @_yoko51_)
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