韓国ドラマ『ナビレラーそれでも蝶は舞うー』(Netflixで2021年3月22日〜4月27日 韓国放送後同日配信)を見終わった。
踊りに夢を見出した70歳の老人と、才能あふれる23歳の青年。厳しい現実に直面しながらもバレリーノを目指す2人の間に、やがて強い絆が芽生え始める。
引用元:Netflixドラマ『ナビレラーそれでも蝶は舞うー』より
あらすじを読んで、なんだか良さそう〜と、軽い気持ちで見始めたら……!
毎回大号泣。視覚からも聴覚からも感情を揺さぶられまくる感動のドラマだった。
今、予告編を見てもウルウルしてしまう。
1話からいきなり引き込まれ、毎週月・火は、23時の配信時間ぴったりにパソコンの前に座りたいがために1時間前倒しで行動するほど虜に。最近、泣きすぎて目が腫れるドラマに出会えてなかったので、嬉しい誤算だった。
4月27日に終了したばかりなので、前半はネタバレなしで、後半は少しネタバレありで『ナビレラ』の見どころと感想を語っていきたいなと思う。
見どころ1 勇気をくれる、おじいちゃんシム・ドクチョル
70歳にして、長年の夢だったバレエに挑戦するおじいちゃんシム・ドクチョルを演じるのはベテラン俳優パク・インファンさん。
バレエが楽しくてしょうがないという顔をしている時とか最高にキュート!
はじめまして。の俳優さんだったけれど、チェロクを気にかけるとき、家族のことを思うとき、厳しい現実を知ったときなどなど、多彩な表情で、視聴者をすーっと感情移入させてくれる人だなと思った。
あるインタビューで、
私たちの年齢になると、普通はドラマでも脇役で、後ろからサポートする役割。でも、この作品を通して同じ世代の年配の方たちに、自分もできるしあなたもできるという夢を与えたい。
と語っていたけれど、ほんとうにそのとおりの演技。見ているだけで勇気づけられ、同世代じゃない私も、仕事や夢に向かって頑張ろうと活力が湧いた。
ドラマでは70歳の設定だけれども、実年齡76歳のパク・インファンさんが主役を演じ、バレエにまで挑戦している姿を見ていたら、
「未来の自分から見ると今の自分が1番若い。だから、何かを始めるのに遅すぎるということはない」
という心理学で教えてもらった言葉が真実であると思えた。新しいことを始めたいけれど、年齢や気持ちが足枷になり1歩が踏み出せないとき、このドラマを思い出したい。
見どころ2 もう1人の主役ソン・ガンが、カッコいい!
有望だけど、色々な悩みを抱えくすぶっている23歳のバレリーノ イ・チェロクを演じるのは、今、いろんなドラマに引っ張りだこで人気急上昇中のソン・ガン。
綺麗な容姿にうっとり。
どこか少年のあどけなさを残す表情と186cmの高身長が魅力で、画面に映ると魅入ってしまうカッコよさはもちろん、内向的で表面に出にくいチェロクの心の揺れ動きを丁寧に演じていて、遅ればせながら(私の中で)大注目の人になった。
おじいちゃんと気持ちを伝え合って、少しずつ心の距離を縮めいくシーンは、どのシーンもとても好きだったなあ。
そして、バレエを踊る姿も美しくて必見!
こちらのYouTube前半2分。ソン・ガンが努力家であることがうかがえ好感度がますます上がってしまった。
2021年4月に発売されたばかりのソン・ガン ファースト写真集もオススメ!
重要な部分は語らないけれど以下ネタバレを少し含むので、これから真っ白な気持ちで見ようと思っている方は、ここでスクロールする手を止めていただけたらと思う。
見どころ3 イ・ウンミさんの脚本に魅せられた
原作はWEB漫画なので、漫画の台詞がいいのかもしれないけれど、脚本もとても良かったなあと思う。「ナビレラ名言集100選」を作りたくなってしまったほど。光る言葉がたくさんあった。
夢ってなんだろう……?やりたいことってなんだろう……??と1度でもさまよったことがある方は、きっと物語へ引き込まれると思う。
ではドラマのどんなところに吸い込まれたのか、サイドストーリーで私が特に好きなシーンを2つ紹介したい(ここでいう「サイドストーリー」とは、おじいちゃんとチェロク以外のストーリーのこと)。
まずは、おじいちゃんの孫娘ウノ(ホン・スンヒ)とチェロクのシーン。
子供の頃から父親の計画通りに生きてきたウノ。猛勉強し期待どおり大企業のインターンに合格するも、予期せぬことで道を失ってしまう。落ち込むウノにチェロクが自分の内側を話し始める。
ウノ : ランニングマシンの上で走ってる気分を?息を切らしながら必死に走ってるのに前に進めない。状況が変わっただけ。中3から高3になって、大卒インターンに。その度に感じることが全く同じでイヤになる。あなたは違うよね。
引用元:Netflixドラマ「ナビレラーそれでも蝶は舞うー」5話より
チェロク : なぜそう思う?
ウノ : ……
チェロク : 不向きなサッカーを13年も続け、少しも前に進めなかった。試合が終わったら逃げ、捕まって叱られてはまた逃げる。その繰り返し。
ウノ : それなのにどうやって…
チェロク : 今の僕がいるかって?自分に正直になったんだ。
僕は父の言いなりだった。言われたとおりに走り込み、リフティングの練習をし、試合に出た。でもバレエと出会って“僕も舞ってみたい”そう思った。“舞台に立つとどんな気分だろう”って。それで決心したんだ。人生で初めて自分の意思を貫いた。幸せになりたくて。君はいつが一番幸せ?
ウノ : それは…
チェロク : それを見つけてみたら?僕は知る由もない。君の幸せを見つけられるのは君だけだから。
「自分に正直になったんだ」の部分が1番好きだった。
いい大学に行って、いい会社に入ってと頑張っていて、ふと気がついたら自分の好きなことや、やりたいことが全くわからず呆然としたことがある。
チェロクの言葉は、私が人生で大切にしたい1ピースを改めて思い出させてくれた。
もう1つは、チェロクの元同級生ホボム(キム・グォン)とおじいちゃんの場面。
ある事件でサッカーの道を断たれたホボムは、チェロクを目の敵にし、執拗にいじめを繰り返すクソヤロー(言葉が汚くてすみません…)なんだけれど。
腐っていたホボムがもう1度サッカーをしようと立ち上がったとき、おじいちゃんが声をかける。
おじいちゃん : 運動を始めた?
引用元:Netflixドラマ「ナビレラーそれでも蝶は舞うー」10話より
ホボム : そうじゃないけど…
おじいちゃん : いいことだ
ホボム : 何も言ってないけど
おじいちゃん : よく踏みとどまった。ビリヤード場では情けなく見えたが、今はカッコいい
ホボム : ちっともカッコよくない。ちょっと走っただけで息が上がる。4年休んだから体がなまってるんだ。もう23歳だし…
おじいちゃん : 私は70歳だ
ホボム : そこで比べる?
おじいちゃん : まだ遅くないってことだ。私も君の歳にバレエを始めたらよかったな。前に言っただろ。君も羽ばたける。さあ、たくさん食って元気を出せ。もっとだ、さあ。
ギュンと心掴まれたのは、おそらく私にも「(あそこまで荒れないけれど)うまくいかないとき、自分の心を上手にコントロールできなくなる」ホボムと同じような弱さがあるとわかっていたからだと思う。
そんな弱さを持つ人にもおじいちゃんがかける言葉はあったかい。ドラマにはいない傍観者の私までも包み込んでくれるような優しさがあった。
ウノやホボムだけではなく、どの登場人物にもあたたかい眼差しが注がれていて、本当に幸せな視聴体験だった。
12話を通して伝えられる
誰でも、どんな年齢でも、羽ばたける
というメッセージは、ズンと響くからとにかく見て欲しい。言いきってしまうけれど、損はさせません。
おわりに
最後は、あたたかく優しい世界観がにじみ出ていて大好きな『ナビレラ』のポスターで終わりにしたい。『ナビレラ』どうもありがとう〜〜!!!
*アイキャッチ画像の写真は、韓国公式サイトよりお借りしました。
文章: yoko( @_yoko51_)
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